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株式会社 エムズサイエンス

Big Discoveries from Small Seeds

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中枢神経系疾患治療薬

Cutamesine (SA4503)

Cutamesineはシグマ受容体と呼ばれるタンパクに作用する低分子化合物です。シグマ受容体は脳に多く存在するタンパクですが、発見当初は神経伝達物質の受容体の一種であると誤って考えられていました。実際、シグマ受容体に作用する化合物は記憶障害などを改善する作用があるため、シグマ受容体は神経の情報伝達という機能に影響するタンパクであると見られてきました。しかしながら、最近の研究によって、シグマ受容体は、他の神経伝達物質の受容体とは全く異なる機能を有していることが明らかになってきました。神経伝達物質の受容体は神経細胞の細胞膜上にありますが、シグマ受容体は細胞表面には存在せず、細胞内に存在します。このことからも、シグマ受容体は細胞外からの情報や刺激を伝達するものではないことが判ります。シグマ受容体の役割は簡潔に言えば、細胞が種々のストレス、たとえば飢餓や酸素不足などに晒された時、ストレスを回避し細胞の生存を維持するようにすることです。単に神経細胞を保護するということではなく、積極的に再生を促すという役割を担っています。
Cutamesineはシグマ受容体に結合することにより、シグマ受容体タンパクを活性化し、細胞の障害を軽減し、積極的に神経組織を再生させる働きがあると考えられています。下の写真はCutamesineの神経細胞に対する作用の一例を示したものですが、神経細胞の突起の伸長を促進しているのがわかります。この写真は培養した神経細胞ですが、生体内でも損傷を受けた神経組織において神経細胞が突起を伸ばして神経ネットワークを再構築するのを助長することが予想されます。

SA4503によっては明らかな神経細胞の
突起伸長作用が見られた

Cutamesineは障害を受けた神経組織を修復・再生する作用が期待されるため、適用となる疾患は多岐にわたると考えられます。中枢神経系疾患のほとんどが多かれ少なかれ神経組織に何らかの組織学的な障害に起因するものであるからです。当社はすでに脳梗塞およびうつ病を対象に臨床試験を実施し完了しています。どちらの試験においても、Cutamesineの効果は現れています。今後、試験の規模を大きくして、薬剤の効果を明確に立証してゆきたいと考えています。なお、うつ病は組織学的な脳組織の障害が無いように思われがちですが、重症のうつ病では脳組織の一部の形態的な変化があるといわれています。実際、Cutamesineは重症のうつ病でより効果が観察されています。

Cutamesineは脳梗塞およびうつ病で開発を進めてきましたが、両疾患とも効果が観察できていることから、さらに大規模な臨床試験を実施することを計画しています。また、他の疾患への応用も考慮しながら、開発を進めることを計画しています。

次世代シグマアゴニスト

Cutamesineの臨床試験の結果はシグマアゴニストであるCutamesineの治療効果を証明するものであり、治療薬としてのシグマアゴニストのポテンシャルを実感させるものでした。この結果を踏まえ、当社は次のシグマアゴニストの選別に着手し、2つの化合物(MC113, MC116)を見出しました。二つの化合物の薬剤としてのプロファイルは明らかとなっており、臨床試験に入るための動物実験の着手をまもなく開始する予定です。
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